目標と実績

環境マネジメント

ロームグループ環境ビジョン2050

産業革命年から世界の平均気温上昇を2℃未満に抑えることが掲げられた「パリ協定」や、「2050年カーボンニュートラル」など、国際社会や政府による脱炭素社会への強い指針が出されている一方、気候変動問題や資源の枯渇問題、生物多様性の損失などの問題はますます深刻化しています。人間の活動が地球システムに及ぼす影響を客観的に評価するプラネタリーバウンダリーは、「気候変動」、「生物多様性の損失」、「化学物質による汚染」については既に許容できる範囲を越えていると報告しており、経済活動が地球に与えている負の影響がすでに人間社会の安全をも脅かすレベルにまで達していることは明白です。
ロームはこれまでも、企業理念や環境方針にのっとり、事業活動・商品を通じての環境負荷削減を進めてまいりましたが、上記の状況を踏まえ、地球環境をより良い状態で次世代につないでいくことを示すため、2021年に「ロームグループ環境ビジョン2050」を掲げました。「気候変動」、「資源循環」、「自然共生」の3つの取組むべき重要なテーマを設定し、中間ステップとなる「2030年目標」も合わせて策定しています。

ロームグループ環境ビジョン2050 ロームグループ環境ビジョン2050

【気候変動】

「気候変動」は、グローバル社会が直面している最も重要な社会課題の1つです。上述したパリ協定では、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べ2℃より十分低く保つと共に、1.5℃に抑える努力をすることが求められています。また、それと同時に、今世紀後半に温室効果ガス(GHG)の排出と吸収のバランスを取り、脱炭素社会を実現することも企業の重要なテーマとなっています。脱炭素・低炭素社会の実現に向けて、ロームの主力商品である半導体の役割はますます大きくなっており、全世界の電力消費量の大半を占めると言われる「モーター」や「電源」の効率改善はロームにとって大きな使命です。また、これらの商品を通じた貢献はもちろん、生産工程などの事業活動全般における環境負荷を軽減することも重要となります。ロームは気候変動対策を重要な経営課題と認識し、事業活動全体での省エネルギー化、再生可能エネルギーの導入を進めるなど、環境配慮型の事業体制構築に取組んでまいります。

【資源循環】

半導体の原材料でもある鉱物資源は、通信機器や精密機器と多種多様な分野で用いられており、人の暮らしに欠くことができないものとなっていますが、これら資源の採掘・使用は、情報化社会の著しい進展により、過去40年の間に急激に拡大し続けており、2000年には8.26トンであった世界1人あたりのマテリアルフットプリントは、2017年には12.18トンにまで増加し、枯渇問題を抱えるまでになっています。中には資源の採掘・使用年数が100年を切っているものもあり、有効な資源の活用や省資源はロームが事業活動する上で重要な課題となっています。また、自然資本の1つである水も、企業活動の最重要資源です。地球温暖化が進むにつれて、世界各地で干ばつ・渇水による調達リスクや、洪水による災害の深刻化が懸念されていますが、効果的な対策が取られない場合、淡水資源の需給がますますひっ迫されると予想されています。ロームは、事業活動が環境に与える影響の大きさを認識し、一連の事業活動を通して限りある資源の無駄をなくすため、資源循環の最大化に取組み、廃棄物排出量の削減や、水再生利用率の向上を図ってまいります。

【自然共生】

生物多様性は、人間が普段食べている魚や貝、紙や建材のもとになる木材、水や大気など、様々な資源の源となっています。2019年12月に開催された地球温暖化の防止策を議論するCOP25(気候変動枠組条約第25回締約国会議)では、2000年から約20年の間におよそ2万種の野生動物が絶滅したと報告されました。このまま何も対策が打たれず、森林伐採や化学物質による環境汚染、地球温暖化などによる生態系の損失が進むと、洪水、干ばつ、食物の不作、不漁や気候変動の悪化、新薬の研究開発の遅れなど、多くのマイナス影響が出ると考えられています。ロームは、地球の生物多様性が生み出す恵みから様々な恩恵を受けていることを深く認識した上で、自然環境との調和を目指し、製品化学物質管理を徹底すると共に、グループ全体で生物多様性保全の活動を実施し、次世代に引き継ぐ地球環境づくりを推進してまいります。

達成年の2050年に向け、段階的に環境中期目標を設定しながら、着実にゴールに向けて歩みを進めてまいります。

ロームグループ環境ビジョン2050 ロームグループ環境ビジョン2050

2030年環境目標

2030年環境目標は、「環境ビジョン2050」に掲げる「気候変動」、「資源循環」、「自然共生」の3つの重点課題ごとに定めています。また、温室効果ガスの削減項目については、科学的根拠に基づいた(SBT=Science Based Targets)の認定を目指しています。

テーマ 環境ビジョン達成に向けた方針 2030年目標 2021年目標
気候変動 「気候変動」対策を持続可能性の実効性を図る重要な指標とし、事業活動により発生する2050年度のCO₂排出量実質"ゼロ"を目指す。 温室効果ガス(GHG)排出量を2050年にゼロにすることを目指し、2030年度に2018年度実績より50.5%以上削減する 温室効果ガス(GHG)排出量を、2021年度生産量に応じた予測値より1.0%以上削減する
温室効果ガス(GHG)排出量原単位を2030年度に2018年度より45%以上削減する 温室効果ガス(GHG)排出量原単位を2020年度実績より5.0%以上削減する
環境配慮型製品の開発割合100%を維持する 環境配慮型製品の開発割合100%を維持する
資源循環 開発から調達・生産・販売までの一連の事業活動を通し、限りある資源の無駄をなくすため、資源循環の最大化に取組む。 国内連結でゼロエミッションを維持し、再生資源化率を2030年度に海外連結で97%以上、国内海外連結でゼロエミッションを目指す 国内連結でゼロエミッションを維持し、再生資源化率を海外連結で94%以上、国内海外連結で97%以上とする
前工程工場の廃棄物排出量原単位を2030年度に2019年度実績より10%以上削減する 前工程工場の廃棄物排出量原単位の2020年度実績を維持する
後工程工場の廃棄物排出量原単位を2030年度に2019年度実績より20%以上削減する 後工程工場の廃棄物排出量原単位の2020年度実績を維持する
水の回収・再利用率を2030年度に2019年度実績より5.5%以上向上させる 水の回収・再利用率を2020年度実績より0.5%以上向上させる
自然共生 地球の生物多様性が生み出す自然の恵みを大切にし、地球環境をより良い状態で次世代に引継ぐ。 グループ全体で、生物多様性保全の活動を実施し、次世代に引継ぐ地球環境づくりを推進する 生物多様性保全への具体的な取組みを検討する
製品化学物質管理を徹底する ②-1 法規制動向の確実な把握と新たなリスクへの対応を行う
②-2 製品化学物質管理に於ける課題抽出とその対策を取る
②-3 化学物質の一元管理を検討する

2020年環境目標と実績

ロームグループは、2010年度より2020年環境目標を掲げ、その達成に向けて、活動を進めてまいりました。達成目標と実績は以下の通りです。

【法的要求事項への対応】

全ての事業活動に関連する環境法規制や要求事項を確実に順守し自主的に環境負荷削減策を推進する。

【自主活動目標】

テーマ 方針 2020年中長期目標 2020年度単年度目標 中長期目標に対する
2020年度実績
単年度目標に対する
2020年度実績
1. 拠点におけるCO₂対策 省エネや温室効果ガス排出削減により地球温暖化の防止を図る。 ①CO₂排出量を2005年度実績より25%削減する 自助努力によりCO₂排出量を2020年度生産量に応じた予測値より0.5%削減する 33.2%削減 3.4%削減
再生可能エネルギーの導入効果を含めてCO₂排出量を2020年度生産量に応じた予測値より4.0%削減する 7.0%削減
②CO₂排出量原単位を1990年度実績より50%削減する CO₂排出量原単位を2020年度に2019年度実績より1%削減する 58.2%削減 2.2%増加
③温室効果ガス(PFCs、SF6など)排出量を1995年度実績より50%以上削減する 温室効果ガス(PFCs、SF6など)排出量を2020年度生産量に応じた予測値より0.5%削減する 68.1%削減 16.2%削減
2. バリューチェーンを通じたCO₂対策 LCAをはじめとした科学的手法や各種の算定ツールを活用し、CO₂削減活動を推進する。
NEXT50に沿った環境配慮型製品の開発を通じて、使用時におけるCO₂削減に貢献する。
①バリューチェーンCO₂を2010年度実績より10%削減する バリューチェーンCO₂を2020年度に2019年度実績を維持する 10.3%削減 8.8%増加
②環境配慮型製品の開発割合を100%とする 環境配慮型製品の開発割合を2020年度に100%とする 100% 100%
3. 環境負荷の削減 大気や水域へ排出される物質の削減を行い地球環境保全を図る。 ①PRTR対象物質取扱量原単位を2010年度実績より10%削減する PRTR対象物質取扱量原単位を2020年度に2019年度実績を維持する 35.0%削減 10.4%増加
②VOC排出量を2000年度実績より40%削減する VOC排出量を2020年度生産量に応じた予測値より0.5%削減する 57.7%削減 3.3%削減
4. 資源の有効活用 貴重な資源を有効活用すると共に生物多様性の基本となる水資源の保護に努める。 ①国内連結でゼロエミッションを維持し、廃棄物排出量原単位を2000年度実績より40%削減する 国内連結でゼロエミッションを維持する ゼロエミッション達成 ゼロエミッション達成
国内連結で廃棄物排出量原単位を2020年度に2019年度実績を維持する 52.5%削減 0.2%削減
②海外連結で廃棄物排出量原単位を2000年度実績より60%削減する 海外連結で廃棄物排出量原単位を2020年度に2019年度実績を維持する 69.1%削減 5.0%増加
③水の投入量原単位を2009年度実績より30%削減する 水の投入量原単位を2020年度は2019年度実績を維持する 29.9%削減 1.7%増加