働きがいのある職場づくり

人財マネジメント

基本的な考え方

ロームグループでは、ワーク(職業生活)とライフ(個人生活)の双方の充実を図る、ワーク・ライフ・インテグレーションの考え方の浸透と推進が社員の幸福感を高め、会社の生産性向上や成長につながると考えています。そのためには、「長時間労働=勤勉」といった従来当たり前とされてきた考え方から脱し、「限られた時間の中で成果を出す」ことに重きを置いていかなくてはなりません。また、経営ビジョンに掲げた社会課題を解決する会社になるためには、ロームグループの社員一人ひとりが活き活きと働くことができる会社でなくてはなりません。そのためには、様々なライフスタイル・ライフステージに身を置く一人ひとりが働きやすく、かつ成果を上げることが求められます。そして、それぞれが置かれている環境の中で、効率的、効果的に成果を上げるためには、個人単位の業務改善に加え、所属組織・全社単位で社員の生産性を高める職場環境の構築・改善も重要となってきます。ロームグループでは、管理部門や全社横断的な委員会(働き方改革委員会、ディーセントワーク専門部会、改善提案委員会)を通して、これらの課題に取組んでいます。社員とのエンゲージメントの強化を通じて、あらゆる職場で失敗を恐れず果敢に挑戦し続ける企業風土の醸成と、挑戦を促す職場環境の整備に取組んでまいります。

労働生産性向上に向けての取組み

ロームでは、社員が個々の能力を最大限に発揮でき、かつ、やりがいを持って働ける職場環境の構築・整備を強力に推進していくため、「働き方改革委員会」と「ディーセントワーク専門部会」の2つの専門委員会が、「労働生産性の向上」を目的に、取組みを推進しています。「働き方改革委員会」がアウトプットの拡大、「ディーセントワーク専門部会」がインプットの削減という役割を担い、両委員会が連携しながら活動しています。また、いずれの専門委員会も、様々な部門から委員会メンバーを選出することで、各職場で抱える問題から全社に通ずる問題まで取り上げることができると同時に、多様な視点での協議、改善・解決施策の取組みが可能となっています。

専門委員会

1. ディーセントワーク専門部会

ディーセントワーク専門部会は、労働倫理マネジメントシステムの構築、運用を司り、方針に則って、労働環境の継続的な改善と管理を行い、働きやすい職場風土の醸成を目指しています。
近年では、リスクアセスメントの結果、課題として上がった、「労働生産性の向上」に向けて、労働時間や有給休暇取得率に関する数値化した達成目標を掲げ、様々な取組みを行っています。

役割

1)労働倫理マネジメントシステムの運用
リスクアセスメント
労働倫理に係る法令調査
全社員への労働倫理に関する教育
内部監査
マネジメントレビュー など
2)労働時間管理に関する課題への対応
  • 2020年12月には労働倫理マネジメントシステムに関する顧客監査が実施され、適切にPDCAを回すことができているという評価を受けました。

2020年度の活動事績

  • 労働時間や労働基準法改正に関する教育、研修
  • リフレッシュデー(定時退社日)の設定、促進
  • 有給奨励日の設定および取得促進
  • 在宅勤務の対象拡大・奨励
  • 時差勤務利用の奨励

2. 働き方改革委員会

働き方改革委員会では、単なる時間外労働の削減を目指すのではなく、付加価値(アウトプット)の向上に重点を置いた「働き方改革」を行うために、6つの分科会を構成しています。各分科会が管轄する職場の声を拾い上げて委員会全体で共有し、実情や課題を把握した上で、労働生産性向上に向けた施策の検討・推進に取組んでいます。

働き方改革委員会:取組み事例

2020年度の活動実績

  • 在宅勤務制度・時差勤務制度の拡大
  • ノートPCの1人1台配布
  • 基幹職(≒総合職)へのiPhone配布
  • リモートワーク環境の構築とリモートワーク会議ツールの利用拡大推進
  • ワークフローシステム導入によるペーパー・ハンコレス

今後は、業務のあらゆるムダを排除するためのITインフラを整備・生産性の向上を図る「業務プロセス改革」・テレワークの推進等、柔軟な働き方を実現する「制度改革」と、社員からの意見収集・情報発信などを通した「組織風土・意識改革」を重点的に行っていきます。

3. 働き方改革につながる制度と利用状況

ロームでは、働き方改革を推進し一人ひとりがそれぞれのライフスタイル、ライフステージに合わせて柔軟に働くことができるよう諸制度の導入を行っています。
また、ニューノーマルの時代を迎えた現在、ビジネス面だけでなく、個々の生活様式にも大きな変化が起きています。これまで当たり前であった行動が一変し、社員のライフスタイル・働き方に大きな影響を与えました。働き方が変わっても、労働生産性を維持・向上させるためには、業務の効率化を図るのみならず、従業員が働きやすい職場環境を整備することが必要です。ロームは2025年までの目標として、社員の志向やライフスタイルに適応した選択型サービスを提供し、働きがいある職場環境を実現することを掲げています。

制度名 目的 内容
インターバル制度 社員の健康確保 勤務の終業時間と翌日の開始時間の間を一定時間空けることにより、休息時間を確保する制度。インターバル時間10時間で設定。
在宅勤務制度 多様な働き方の支援 身体の障がいなどで毎日通勤して働くことが困難であると判断される社員を対象に一定期間、在宅しながら勤務を可能とする制度。
勤務地変更制度 人財の確保 配偶者の転勤や結婚、育児、家族の介護により転居を余儀なくされる場合において、個人都合で勤務地変更を認める制度。
再入社制度 人財の確保 配偶者の転勤や結婚、育児、家族の介護により退職せざるを得ない場合において、退職した後、5年以内に再入社できる権利を付与する制度。
コース転換制度 人財の活躍 職務の幅を広げ、自身の更なるキャリア形成に挑戦したいという限定基幹職の社員を対象に、基幹職へのコース転換を推進する制度。
時間単位有休 働く環境の整備 多様な働き方を可能にするため、年間5日分を上限に1時間単位で有休を取得できる制度。

今後も諸制度の整備や浸透を図り、社員がいきいきと働くことのできる職場環境の実現を目指します。

4. 有給休暇の取得促進

社員の健康維持や心身のリフレッシュを図るため、以下の取組みを通じて有給休暇の取得を推奨しています。
また、社員が多様で柔軟な働きができるよう、2019年から時間単位有休制度を導入しました。

[取組み事例]
  • 有給休暇に関するルールの理解や認識の深化のため、研修を実施
  • 毎月部門パトロールを行い、有給休暇取得促進に向けた参考事例の収集とその内容の全社展開を実施
  • 計画的有休の設定(年間4日間)
  • 有休奨励日の新規設定
  • 時間単位有休の導入
  • 2020年度の有休取得率はコロナ禍の影響により63.3%に落ち込みました。
    2021年度は引き続き75%を目標に掲げております。
有給取得率(%)

5. 表彰制度

ロームグループでは企業目的・方針に基づき、会社に貢献した社員を表彰する制度として『ローム社長賞』を設けています。この賞は、海外を含めた全ロームグループ社員が対象となっており、新技術や新商品の開発、生産性向上、地域や社会への貢献など社員の1年間の活動を表彰するもので、社員のモチベーション向上に大きく寄与しています。

過去の受賞件数

2018年度 2019年度 2020年度
金賞 6 6 10
銀賞 41 26 17
銅賞 71 63 58
努力賞 57 56 59
合計 175 151 144
表彰制度
表彰制度
※2018年度表彰式

6. ハラスメント防止に関する取組み

社員が健康でいきいきと働ける職場づくりに向けた取組みの一環として、顧問弁護士によるハラスメント防止研修を取締役含む部門長を対象に実施しています。

【研修内容】

セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメントなど、あらゆるハラスメントの未然防止に向け、社会要請の変化や具体的な事例に基づき説明教育。

【2020年度の研修実績】

  • ・受講者:27人(対象:新任管理職)
  • ・受講率:100%

同様のハラスメント防止研修は、昇格時の研修でも実施しており、今後も継続して実施していきます。

7. スペシャリスト職制度

ロームは、専門職(部下を持たず、自身の専門性を高めるキャリア)の中でも、特に高度な専門性を社内外に認められている社員を「スペシャリスト」として認定する制度を新たに制定しました(2020年度は累計44名のスペシャリストを任命しております)。
その道の第一人者としてのキャリアパスを明確化することで、自身の役割・期待を認識することは、更なる知見・技術向上へのモチベーションにもつながります。このような取組みを通じて、ロームは高度専門人財を育成し、社員と会社の更なる成長を図っております。

スペシャリスト職制度の目指す姿

  • ロームの経営・事業戦略上、競争力の源泉となりうる専門能力の向上と発揮を社員一人ひとりに求めていく上で、専門職への成長イメージを示し、高度専門人財の計画的育成を図る。
  • 高度な専門性の発揮を通じての企業貢献を自らの強みとする社員に対して、活躍機会を拡大し、自己実現に寄与する。
  • 早期に自己の適性にあった進路を認識し、個々人の意識的・主体的な能力研鑽に対する意欲の高揚を図る。

社員とのコミュニケーション

ロームグループの成長を支える社員が、生き生きと働くことができる職場環境を実現し、より良い企業文化の醸成につなげていくには、会社と社員の双方向のコミュニケーションが欠かせません。
ロームでは、以下の取組みを通じて社員の声を拾い上げ、会社と社員が共に成長する上で取組むべき労働環境面の経営課題を特定し、更なる改善や課題解決の施策につなげています。

1. 従業員満足度調査

社員の仕事に対する意識、職場の状況、働きがいの持てる職場づくりのための課題を明らかし、施策案を検討するための社員とのコミュニケーションツールとして、定期的に従業員満足度調査を実施しています。
今後は調査範囲をロームグループ全体に広げ、グループレベルでの従業員エンゲージメント強化を図る指標として計測していきます。

対象者数 回収数 回収率
2013年度 3,213 3,115 96.9%
2015年度 3,340 3,220 96.4%
2017年度 3,390 3,112 91.8%

【調査結果を受けての改善実績】

  • 2017年度の回答結果から、全社傾向として、社員の満足度をより高める要素として最も影響度が強いのは「仕事のやりがい」でした。
    この結果を受け、ロームは従業員満足度のさらなる向上のために、「マネジメント力の向上」「働き方改革の推進」「人事制度の改善」「社員の声を集める場の設定」などの各種取組みを展開しています。
  • 2018年度は、従来より全社プロジェクトとして活動を続けてきた「働き方改革プロジェクト」と「女性活躍推進プロジェクト」を統合し、「働き方改革委員会」を立ち上げました。全社的な「働き方改革」推進をより一層加速させ、生産性の向上に取組んでいます。

2. ストレスチェック

近年、仕事や職場生活に関して強い不安、悩みまたはストレスを感じている社会人が5割を超えているといわれています。ロームでは、社員のストレスの程度を把握し、社員自身のストレスへの気づきを促すと共に心身不調を未然に防止するため、ストレスチェックを実施しています。

対象者数 回収数 回収率
2016年度 3,202 3,131 97.8%
2017年度 3,408 3,248 95.3%
2018年度 3,463 3,210 92.7%
2019年度 3,412 3,289 96.4%
2020年度 3,559 3,439 96.6%

2018年より各部署の責任者に回答結果のフィードバックを行っており、より良い職場環境を構築するためにストレスチェックを活用していく体制を全社的に推進しています。
また、昨今の外部環境の変化を受け、これまで以上に柔軟かつ生産性ある働き方を実現すべく、必要なIT環境の整備や各種ツールの導入などの施策を引き続き進めてまいります。

3. 改善提案キャンペーンの実施

改善提案委員会は、作業効率の向上とコスト低減を図ると共に、社員の改善意識を醸成することを目的として、社員一人ひとりの業務改善を推進する委員会です。毎年11月頃に改善提案キャンペーンを開催し、個人の業務改善提案はもちろんのこと、会社の労働環境の改善提案を募集しています。これらの提案内容は、関連部門へ展開され、環境改善に向けた様々な施策に反映されます。

2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
提出件数 347 639 709 957 767