目標と実績
環境マネジメント
2020年環境目標
ロームグループは、環境方針および2020年環境目標に基づいて、年度目標と取組みを明確にし、その達成に向けての実施計画を毎年作成し積極的な活動を推進しています。
【法的要求事項への対応】
全ての事業活動に関連する環境法規制や要求事項を確実に順守し自主的に環境負荷削減策を推進する。
【自主活動目標】
方針 | 2020年度目標 | 2018年度目標 | 2018年度実績 | |
---|---|---|---|---|
1. 拠点におけるCO₂対策 | 省エネや温室効果ガス排出削減により地球温暖化の防止を図る。 | ①CO₂排出量を2005年度実績より25%削減する | CO₂排出量を2018年度生産量に応じた予測値より1%削減する | 8.0%削減 |
②CO₂排出量原単位を1990年度実績より50%削減する | CO₂排出量原単位を2018年度に2017年度実績より1%削減する | 0.9%増加 | ||
③温室効果ガス(PFCs、SF6など)排出量を1995年度実績より50%以上削減する | 温室効果ガス(PFCs、SF6など)排出量を2018年度生産量に応じた予測値より1%削減する | 24.6%削減 | ||
2. バリューチェーンを通じたCO₂対策 | LCAをはじめとした科学的手法や各種の算定ツールを活用し、CO₂削減活動を推進する。 NEXT50に沿った環境配慮型製品の開発を通じて、使用時におけるCO₂削減に貢献する。 |
①バリューチェーンCO₂を2010年度実績より10%削減する | バリューチェーンCO₂を2018年度に2017年度実績を維持する | 0.8%増 |
②環境配慮型製品の開発割合を100%とする | 環境配慮型製品の開発割合を2018年度に95%とする | 100% | ||
3. 環境負荷の削減 | 大気や水域へ排出される物質の削減を行い地球環境保全を図る。 | ①PRTR対象物質取扱量原単位を2010年度実績より10%削減する | PRTR対象物質取扱量原単位を2018年度に2017年度実績値を維持する | 3.2%削減 |
②VOC排出量を2000年度実績より40%削減する | VOC排出量を2018年度生産量に応じた予測値より1%削減する | 10.8%削減 | ||
4. 資源の有効活用 | 貴重な資源を有効活用すると共に生物多様性の基本となる水資源の保護に努める。 | ①国内連結でゼロエミッションを維持し、廃棄物排出量原単位を2000年度実績より40%削減する | 国内連結でゼロエミッションを維持する | ゼロエミッション達成 |
国内連結で廃棄物排出量原単位を2018年度に2017年度実績を維持する | 2.4%削減 | |||
②海外連結で廃棄物排出量原単位を2000年実績より60%削減する | 海外連結で廃棄物排出量原単位を2018年度に2017年度実績値を維持する | 1.3%削減 | ||
③水の投入量を2009年度実績より10%削減する | 水の投入量を2018年度生産量に応じた予測値より1%削減する | 9.2%削減 |
1.拠点におけるCO₂対策
事業活動から排出されるCO₂や温室効果ガスの削減に意欲的に取組んでいます。
- 【方針】
- 省エネや温室効果ガス排出削減により地球温暖化の防止を図る。
- 【2020年目標】
- ①CO₂排出量を2020年度に2005年度実績より25%削減する。
②CO₂排出量原単位を2020年度に1990年度実績より50%削減する。
③温室効果ガス(PFCs、SF6など)排出量を2020年度に1995年度実績より50%以上削減する。
CO₂排出量の削減
2015年にCOP21が開催され、世界規模の地球温暖化・気候変動対策が求められる中、ロームグループでは、省エネルギー専門部会が中心となり設備の使用電力、オフィスのエネルギーなどの見える化を進め、無駄なエネルギーの削減に積極的に取組んでいます。
2018年度
- 排出量目標
- CO₂排出量を2018年度生産量に応じた予測値より1%削減する。
- 排出量実績
- 8.0%削減により、目標達成。
- 原単位目標
- CO₂排出量原単位を2018年度に2017年度実績より1%削減する。
- 原単位実績
- 0.9%増加により、目標未達成。
ロームグループにおけるエネルギー消費に伴うCO₂排出量は、年間約60万tになります。CO₂の削減に向けて、ロームグループでは、省エネプロジェクト活動をはじめ、様々な活動に取組んでいます。2018年度は、53,000tのCO₂を削減しました。
2018年度実績:-8.0%(目標:-1.0%)
CO₂の削減の主な取組み事例 | |
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ローム浜松 | 空調熱エネルギー源の転換 |
ROHM KOREA | 蓄電システムの導入 |
本社 | 冷凍機の更新 |
本社 | 省エネポンプの更新 |
TOPICS.
- 再生エネルギーの導入
- 静岡県の拠点では、2017年度に太陽光発電システムを導入しました。工場南側に新幹線線路と平行して270mに渡り太陽光パネルを設置し、年間約363MWh の電力を発電することができます。
ロームグループでは、地球温暖化ガスの排出量を削減し、限りある資源を枯渇させないよう、再生可能エネルギーの導入を検討していきます。
温室効果ガス(PFCs、SF6など)排出量の削減
PFCガスは半導体、特にLSIの微細加工に不可欠な材料です。このPFCガスは大気へ放出されるとCO₂の6500倍以上の温室効果ガスとなります。半導体業界では、このPFCガスの排出量に対し、削減目標を決め、PFCガスを分解し温室効果をなくすための除外装置の設置に取組んでいます。
2018年度
- 目標
- 温室効果ガス(PFCs、SF6など)排出量を2018年度生産量に応じた予測値より1%削減する。
- 実績
- 24.6%削減により、目標達成。
中長期目標の設定
産業革命前から世界の平均気温上昇を2℃未満に抑えることが掲げられた「パリ協定」が発効され、脱炭素社会の実現に向けた活動が世界的に加速しています。
ロームグループでも、サプライチェーン全体の温室効果ガス削減のため、2030年、2050年に向けた中長期の科学的根拠に基づいた目標(SBT=Science Based Targets)設定を重要課題であると捉え、2018年度より気候変動対策専門部会を発足させ、SBT設定に向けた現状調査と目標検討をスタートさせました。
2.バリューチェーンを通じたCO₂対策
ロームグループでは、全ての事業所から排出されるCO₂排出量の低減に取組むため、自社の算定範囲であるスコープ1・2だけでなく、バリューチェーン全体のCO₂排出量であるスコープ3まで拡大し、算定しています。
また、革新的な製品による社会課題の解決を目指し、環境配慮型製品の開発に尽力しています。
- 【方針】
- LCAをはじめとした科学的手法や各種の算定ツールを活用し、CO₂削減を推進する。
NEXT50に沿った環境配慮型製品の開発を通じて、使用時におけるCO₂削減に貢献する。 - 【2020年目標】
- ①バリューチェーンCO₂を2020年度に2010年度実績より10%削減する。
②環境配慮型製品の開発割合を2020年度に100%とする。
スコープ3への取組み状況
2018年度
バリューチェーンCO₂における目標
- バリューチェーンCO₂を2018年度に2017年度実績を維持する。
- 実績
- 0.8%増加となり、目標達成。
環境配慮型製品における目標
- 環境配慮型製品の開発割合を2018年度に95%とする。
- 実績
- 100%となり、目標達成。
2018年度のロームグループの事業活動におけるCO₂排出量
スコープ区分 | 2018年度 CO₂排出量(t-CO₂) | 算定概要 | |||
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スコープ1(直接排出) | 38,362 | 自社の事業所施設からの直接排出 | |||
スコープ2(エネルギー起源の間接排出) | 579,438 | 自社の事業所が購入したエネルギー製造に伴う排出 | |||
スコープ3(自社のサプライチェーンなど、スコープ1、2以外からの排出) | 分類 | カテゴリー区分 | 2018年度 CO₂排出量(t-CO₂) | 算定概要 | |
上流 | 1 | 購入した製品・サービス | 637,329 | 購入した製品(材料・部品)の製造に伴う排出量 | |
上流 | 2 | 資本財 | 169,988 | 自分の投資した資本財(設備)から排出する排出 | |
上流 | 3 | スコープ1とスコープ2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 0.5 | 自社の事業所で使用した燃料やエネルギーの調達に伴う排出量 | |
上流 | 4 | 輸送・配送(上流) | 38,337 | 販売した製品について工場-物流拠点-消費者までの配送に伴う排出量 | |
上流 | 5 | 事業からでる廃棄物 | 7,747 | 自社の事業所で発生した廃棄物の輸送、処理に伴う排出 | |
上流 | 6 | 出張 | 2,985 | 従業員の出張に伴う排出 | |
上流 | 7 | 雇用者の通勤 | 10,881 | 従業員が通勤する際の移動に伴う排出 | |
上流 | 8 | リース資産(上流) | 109 | 自社が賃貸しているリース車の稼働に伴う排出 | |
下流 | 9 | 輸送・配送(下流) | - | 対象外 | |
下流 | 10 | 販売した製品の加工 | |||
下流 | 11 | 販売した製品の使用 | |||
下流 | 12 | 販売した製品の廃棄 | 734 | 自社及びグル-プが販売した製品の廃棄に伴う排出 | |
下流 | 13 | リース資産(下流) | - | 対象外 | |
下流 | 14 | フランチャイズ | - | 対象外 | |
下流 | 15 | 投資 | - | 対象外 |
3.環境負荷の削減
- 【方針】
- 大気や水域へ排出される物質の削減を行い地球環境保全を図る。
- 【2020年目標】
- ①PRTR対象物質取扱量原単位を2020年度に2010年度実績より10%削減する。
②VOC排出量を2020年度に2000年度実績より40%削減する。
PRTR対象物質の削減
半導体の製造工程においては、多くの化学薬品を使用していますが、中でも特にPRTR対象物質(第一種指定物質)の削減において、環境規制物質専門部会が中心となり具体的数値目標を立て削減活動を進めています。
2018年度
- 目標
- PRTR対象物質取扱量原単位を2018年度に2017年度実績値を維持する。
- 実績
- 3.2%削減により、目標達成。
VOC(揮発性有機化合物)の削減
半導体の製造工程に必要な有機溶剤は、VOC(揮発性有機化合物)に該当し、大気中に排出されると光化学スモッグの原因になると考えられています。
ロームグループでは、環境負荷削減専門部会が中心となり工程の変更・改善による使用量削減と共に除外装置の設置なども実施し、排出量の削減を進めています。
2018年度
- 目標
- VOC排出量を2018年度生産量に応じた予測値より1%削減する。
- 実績
- 10.8%削減により、目標達成。
4.資源の有効活用
- 【方針】
- 貴重な資源を有効活用すると共に生物多様性の基本となる水資源の保護に努める。
- 【2020年目標】
- ①国内連結でゼロエミッションを維持し、廃棄物排出量原単位を2020年度に2000年度実績より40%削減する。
②海外連結で廃棄物排出量原単位を2020年度に2000年実績より60%削減する。
③水の投入量を2020年度に2009年度実績より10%削減する。
廃棄物の削減
ロームグループでは資材の調達から開発・生産・販売までの一連の事業活動の流れの中で、限りある資源やエネルギーの無駄をなくし、廃棄物の削減と再資源化に努めるため、資源活用専門部会が中心となり目標達成に向け、年度毎に実施計画を立て活動を進めています。ゼロエミッションに関しても、達成し続けています。
2018年度
- 目標
- ①国内連結でゼロエミッションを維持し、廃棄物排出量原単位を2018年度に2017年度実績を維持する。
②海外連結で廃棄物排出量原単位を2018年度に2017年度実績値を維持する。 - 実績
- ①国内連結でゼロエミッションを達成し、原単位2.4%削減により、目標達成。
②海外連結で原単位1.3%削減により、目標達成。
水使用量
ロームグループは水を大量に消費する半導体ウエハー製造を国内外で展開しています。
半導体製造用に投入する原水は超純水に加工し利用する高コスト資源であるため、使い捨てではなくリサイクル・再利用する節水努力が必要です。
限りある水資源の投入量削減は環境に対しても優しいことは歴然であり、気候変動により渇水となっても、節水対応ができていれば事業継続へのリスクも低減できると考えています。
2018年度
- 目標
- 水の投入量を2018年度生産量に応じた予測値より1%削減する。
- 実績
- 9.2%削減により、目標達成。
TOPICS.
- 水リスクへの対応
- ロームグループの事業分野である半導体製造は、前⼯程(半導体ウエハ-プロセス)と後⼯程(組み立て、完成品検査)で構成されており、前工程は日本国内、後工程は東南アジアおよび韓国、中国に工場が立地しています。半導体製造は大量の超純水の使用が必須な産業であり、その大部分が前工程に必要な資源です。そのため前工程が集中する日本において水資源を長期にわたって安定的に確保できることが、操業を継続するための必須条件となります。
また、後工程の集中する東南アジアの中でタイの2工場が、洪水などの水害リスクの多い流域に立地しており、災害による実害のため操業が中断した苦い経験を持つことから、水不足及び洪水リスクの両面に対しリスク管理を行っています。